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AI絵画と芸術性

投稿日:2022年09月07日 テクノロジー

帰山です。

以前にもこのブログで別の方が取り上げていましたが、最近AIによる絵の自動作成、が話題になっています。

AIによる描画、が今後どうなるのかは予想が難しですが、絵描きの仕事が奪われるのではないか、といった懸念もあります。

写真が発明されても絵画が無くならなかったように、絵を描く人にとって当然影響はありますが、根本的には今までと変わらないように思います。

芸術、というものは、今まで誰も気が付かなかった価値を見出し、表現するものです。
その観点からみると、AIが描画するものは、すでに誰かが見つけた価値の中での表現に過ぎない、と思われます。
それは、AIはこれまでの様々な絵画の情報の蓄積から、混ぜ合わせて答えを出すものだからです。
創造の源泉と言われる「インスピレーション」は科学的に説明が難しいものですが、その論理的に説明出来ないものを機械が実行することは不可能です。

AIというものは新しい画材であり、今まで時間をかけて描いていた部分をAIに任せ、全体の構成や、細部など、骨となる部分や、仕上げについては人間が行う、という形になるのではないでしょうか。

映画のCGが、どれだけ進化してもCGと分かる様に。AIの描いた絵も、これはすごく上手いけどAIの描いた絵だろうな、とわかるような気がします。
そんなものは気にしない、といった場面では「いらすとや」のフリー素材のように爆発的に利用されると思いますが、商用物などオリジナリティが求められる分野では、AIオンリーの絵は価値が低いのではないでしょうか。

個人的には、アナログ絵画、というものの価値の再発見にもつながって欲しいと思います。
油絵や水彩画、日本画など、アナログ絵画は、AIで模倣することは現状極めて困難です。
パソコンの画面からは伝わらない魅力が、アナログにはあります。

色々と取り留めなく書いてしまいましたが、AIによる描画は、非常に画期的ですが、AIに全部任せるのではなく、うまく活用してさらに効率的に、高品質の作品を作っていくこと。
もしくは、AIには出せない価値を表現していくこと、が今後の絵描きには求められるのではないかと思います。
それは他の仕事でも言えることです。

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