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ゴースト イン ザ シェル
投稿日:2017年04月19日
こんばんは、中川です。
先日、映画『ゴースト イン ザ シェル』を観ました。
近未来が舞台で、脳以外をすべてサイボーグ化された女性・キリアン少佐が、「自分は人間か?それとも機械か?」という苦悩を抱えながら犯罪に立ち向かうサイバーパンク映画です。
1989年に発表された士郎正宗氏による日本のコミックが原作で、1995年に押井守監督による劇場用アニメが公開され、世界的に有名になりました。
それが今回、満を持してハリウッドにて実写映画化されたという訳です。
ストーリーは原作からけっこう改変されている部分があるので評価は別れると思いますが、個人的には哲学的で複雑な話をかなり分かりやすく纏めたなという印象でした。
また、映像は申し分ないですし、テクノロジーが進みすぎて混沌としたディストピア的な世界観もよく表現されていたので満足でした。
ところで、この映画には北野武氏が俳優として出演しています。
基本はみんな英語で話しますが、北野さんだけは台詞を日本語で話し、英語字幕が出る仕様になっています。
ただ、北野さんの台詞は滑舌的にかなり聞き取りづらいので、英語字幕も見て何とか理解しました。
北野武氏と言えば、1995年に公開された、『JM』というこれまたサイバーパンクな映画に出演されていたことを思い出します。
『JM』も近未来が舞台で、脳にデータ記憶デバイスを埋め込み、ネットに流せない機密情報を直接頭に格納して運ぶ “記憶屋” のジョニィ(キアヌ・リーブス)が登場します。
面白いのは、記憶屋という大層な仕事をするジョニィが自分の記憶容量を聞かれて、
「160ギガバイトだ。」
と威張るところ。
今となっては「…それだけ?」と思ってしまいます。
しかも実際に運ぶことになるデータは320ギガで、(何でそんなことができるのか分かりませんが)無理やり脳に入れて頭が割れそうになったりします。
アーモンドスライスくらいの大きさのSDカードにギガ単位のデータが入り、ハードディスク容量もテラバイトが当たり前となった今では何ともスケールが小さく思えてしまいますが、そもそも原作は1986年のものなので仕方ないとも思います。
逆に、記憶メディアの進歩の凄まじさには驚くばかりです。
そういう意味で、現在でもほとんど古さを感じないどころか、むしろ当時にこんな作品が考えられたことがすごいと思える「ゴースト イン ザ シェル」は、オススメしたい作品です。
「JM」も脚本は微妙だし映像も現代の映画とは比べるべくもないですが、そこも含めてかわいい作品なのでご興味があればぜひ観ていただきたいです。
写真は、アーモンドスライスとマイクロSDカードです。