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「バベルの塔」展
投稿日:2017年08月23日
こんばんは、中川です。
先日、国立国際美術館(大阪)の「バベルの塔」展に行きました。
『バベルの塔』は、一度は見てみたいと思っていた作品です。
展示はネーデルラントの宗教的な彫刻や絵画から、ヒエロニムス・ボスの奇抜な絵画、ボスに影響を受けたフォロワーたちの作品群、そしてピーテル・ブリューゲル1世の作品群と続き、最後にブリューゲルの最高傑作である『バベルの塔』を鑑賞できるようになっています。
自分としては『バベルの塔』だけが目当てだったのですが、回ってみるとヒエロニムス・ボスの作品にも強く惹かれました。
たくさんの人物や奇妙な怪物、不思議なオブジェなどが所狭しと描かれていて、またそれらが色々な動きをして物語を表現しているので、隅々まで観たくなってしまいます。
ボスの作品で有名な『快楽の園』は、どこか未来的なイメージすらある素晴らしい作品なので、ぜひ一度観ていただきたいです。
そしていよいよ『バベルの塔』。
はじめに驚いたのは、実物の大きさ。…というか小ささです。
描き込みの細かさから、さぞ大きな絵なのだろうと思っていましたが、実際はそれほど大きくはなく、59.9×74.6cmとのこと。
思ったより小さかったので細かいディティールを観るのは難しく、拡大した複製を観てようやく細部を堪能する事ができたくらいです。
次にやはり、この作品の持つリアリティには溜息が出ました。
塔自体は架空の建造物なのに、煉瓦や漆喰を塔の上層部に運ぶためのクレーンや、塔の近くに作られた煉瓦を焼く窯、建造のために働く人々などがどこまでもリアルに描かれているため、非常に説得力があり、現実感を持った迫力があります。
聖書ではバベルの塔は神罰の象徴とされていますが、この作品のバベルの塔は、人の営みが生み出す力のすごさを表しているように感じました。
展示の最後に大型スクリーンで、東京芸大の人が作った3Dバベルの塔を使ったドキュメントを上映していましたが、これにも感動しました。
3Dのクオリティが高く、アニメーションもするので釘付けになってしまいました。
このドキュメントのDVDが欲しい。
自分もいつかは傑作《マスターピース》と呼べるような作品を作りたいと常々思いますが、日頃から常に全力でモノ作りをしないと傑作は生まれないと思うので、不断の努力を心がけたいです。